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戦地からの便り 小田桐正一  075 もう1通

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宛名 通信文

第53信
  之も別に、航空便で云う程のこともないのだが、折角の親心の航空便を出さねば、スネている様なし、さりとて別に他へ出す当てもないので、さらに1枚書いている始末です。
  前にも度々書いたように、ビルマと云う所は、あまり日用雑貨のない処、且、今まで相当物資豊富の処を廻って来た関係上、阿呆らしくて、物も買えぬ。そこで、相当、貯金することにした。此の方が国策に添う所以でもある。
  一良も、近く、国民学校に入るのだが、御祝いに品物という訳には行かぬが、金なら送金できる。必要なれば、云って来て下さい。何なら、そちらで立替えて置いて貰っても結構です。
  当地も、もう二ヵ月もすれば果物が、うんと出揃います。

1943/03/07発信 03/23着信 航空便

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