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戦地からの便り 小田桐正一  084 泰緬鉄道 2

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宛名 通信文

第63信
  第57信以来、第58、59信迄、凡そ2か月ほど、間が空きましたね。実はその間、山奥にスッコンデいたのです。そこは、とても不便な処で、人が今迄通ったことも無いジャングルを切開いた処で、その中で、多くの将兵達が黙々と働いている処です。青い野菜などもなく、全く不便な処です。
  之が、有名な緬甸と泰との国をつなぐ泰緬鉄道の建設地です。これは、まさしく大東亜戦の大動脈となるべき重要な作業です。
  その中に、2ヶ月余り交わっていて、全く頭の下がる思いが致しました。(尤も、私は鉄道には関係ありませんなんだが)之は、今度の出征で、もっとも感銘深いものでした。

1943/06/12発信、07/23着信

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