第104信
おばあちゃんも、此頃では、次第に良ろしい様で、何よりです。
一良も、級長になった由、勉強も大切ですが、身体を元気にし、又、おじいちゃん、おばあちゃんを大切にしなければ駄目です。学問よりも、人間を作る様に、よく教育して下さい。
疎開のことですが、命令があれば、直に移動する様、又、命令なくとも、山田の方で、小さな離家でも手に入る様なれば、疎開するに越したことはありません。
ゴタゴタしたものは、出来れば全部山田の家へ預かって貰うことです。私の机、重ね本箱、本棚（二つ、床の間にある本箱は除く）、椅子等は、若し、石油箱でも手に入れば、それに詰め込んで、売払っても結構です。
静夫、恒雄、東京の方【メモ】へは、何れ通信を致します。（終り）
1944/08/11発信、1945/01/20着信 航空便
疎開をするという連絡に対して、荷物の処理を指示。
【メモ】 静夫：疎開先の林福市の長男 恒雄：妻光子の弟 「東京の方」：不詳。